にがおちぎり絵
〈雪浦聖子さん〉
今回、モデルになっていただいたのは、ファッションブランドsneeuwデザイナーの雪浦聖子さんです。
聖子さんに初めてお会いしたのは去年の夏、お寺で開かれた音楽イベントにて。
境内では、フード&ドリンク、古本、お香、古道具などの出店もあり、私は古道具のお店で蟹柄の湯のみ茶碗と亀の木製の容れ物、どちらを買おうか吟味していました。
そこにふらりと現れ、私の付けているイヤリングを話題に話しかけてくれたのが聖子さんでした。
店主さんと聖子さんとおしゃべりしながら、亀の容れ物を買うことにしました。
その後、別々にライブを満喫し、イベントもお開きとなりまして、さて帰ろうとバス停に並んだところ、あらびっくり、前にいたのは聖子さん。
そんな偶然もあって、バスと電車の帰り道、おしゃべりに花を咲かせたのでした。
後日、sneeuwの春夏、秋冬コレクションの展示会へおじゃまし、実物を目にしてときめき、デザインに注がれたテーマをお聞きして、聖子さんの感性に触れました。
ちょっと変わった形のデザイン、テーマを投影した柄、色使いの表現に興味津々。
以来、私はsneeuwのファンです。
ところで、私は人のお顔のちぎり絵=にがおちぎり絵を作っているときに、頭の中で、その人の私の知らないこれまでの人生に思いを馳せたり、お話しした内容を反芻したり、その人になったつもりで思考してみたりして、断片的な想像のかけらをつなぎあわせ、紙をちぎっては一枚一枚貼っています。
そうやって作っているうちに、その人から着想を得た物語的イメージが湧いてきます。
聖子さんのちぎり絵を作りながら思い浮かんだイメージは、
「木琴をたたきながらタップダンスをするエネルギー音の調律師」です。
タップダンスの軽快さ、木琴の透き通った綺麗な音の響き、万物のエネルギーの音をひそやかに黙々と調律しているようすが思い浮かびました。
実際の聖子さんとはまったく無関係のイメージであることはどうぞご了承ください。
そんなふうに自由にイメージをふくらませて、にがおちぎり絵を作らせていただきました。
モデルのお願いをご快諾いただいた雪浦聖子さんに心より感謝いたします。
どうもありがとうございました!
余談ですが、あのとき買った亀の容れ物には、神社でひいた大吉のおみくじを入れています。
2024