凧市の凧

2016年2月
【凧市の凧】 1000円


 2月の午の日に、ここ3年ほど、毎年行っている王子稲荷神社の凧市へ。
 今年は娘を母に預け、単独詣り。
 神社の境内では、「凧市」の名の通り、いろんな種類の凧を販売している。
 浅草の鷲神社の酉の市にも出店しているおじさんがここにもいて、お客さんに口上を述べている。
 そのおじさんのお店で、「龍」と書かれた4.5cm×8cmほどのミニ凧を買った。この凧は飾り用なので、空へ飛ばすことはないけれど、「龍」一文字とは、シンプルで勇ましくて、縁起が良さそうでいい。
「縁起の良さそうな」といえば、境内奥に進むと、「願掛けの石」を持ちあげられるか否かという運試しスポットがある。
 願掛けの石は、お社の中、さい銭箱の前、座布団に鎮座している。
 見た目は重そうな漬け物石。この石を、願い事を念じながら持ちあげ、持ちあがれば、その願いは叶いやすく、持ちあがらなければ、願い事を叶えるには、まだ努力が必要ということで、願掛けの石を持ちあげることも、これまた私の恒例行事になっている。
 参拝客は年配の方も多く、おばあさんたちは、「ああ、これはムリだわ~」と、はなから本気ではない。  
 初めての年は私も持ちあがらなかった。が、翌年からは持ちあがるようになった。コツがつかめたのだ。
「こんな重そうな石、持ちあげるのなんてムリ~」と一切思わず、持てる、これは楽勝、とワクワク自信を持って臨むことが大事。
 そして、いざ持ちあげるときは、腕全体で石をすっぽり抱くようにして腰を入れ、そりゃっと持ちあげる。そうすると持ちあがる。私はもういつだってこれは持ちあがると思っているから持ちあがる。
 そうして、王子駅までの帰り道、にぎわう露店でベビーカステラなどを買ってみたりすることが、2月午の日の楽しみである。

2016

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