イルカのマグネット・リラックマキーホルダー

2018年7月
【イルカのマグネット・リラックマキーホルダー】 400円・540円


 6年ぶりに西表島に行った。
 子育て中の現在。3歳までは航空券が無料といわれても、機内でのこどもの様子を想像してみるとハードルが高く、利用する気になれずにいた。
 4歳になり、オムツ替えの心配もなくなった今年、ようやく大好きな西表島へ行く気になれた。
 西表島は、私にとって特別な島だ。印象的な思い出がふたつある。
 ひとつは、19歳のときにさとうきび刈りの援農隊として初めて訪れたときのこと。
 さとうきび畑で農作業をして汗を流し、休憩中におかしを食べながら見た空や山や海。吹き抜ける風の心地良さ。仕事終わりに遊びに行った浜。しずんでいく夕陽。島の時間の流れ。
 それらの体験は、西表島へのなつかしさ、親しみにつながっている。
 ふたつめの思い出は、23歳のときに八重山古典民謡の師匠に出会ったこと。
 当時、私は「古見」という集落で宿の住み込みのバイトをしていた。
 師匠は石垣島に住んでいて、故郷の古見にたまたま帰省していたときに会えた。運が良かった。
 それから毎年、石垣島に通い、民謡の稽古をしていただく間柄になった。
 20代の頃は、民謡の稽古に没頭することが気持ちの支えになっていた。八重山の藝能に救われていた。
 師匠は2013年8月に他界。私は妊婦で安静が必要な時期だったため葬儀に参列できなかった。だから、師匠が今もどこかで元気に暮らしているような気がしてしまう。
 西表島のことを思うと、どうしても師匠のことが思い出される。
 6年ぶりの西表島。遠目で見る自然の景色は変わらない。
 大切な思い出のつまった場所に娘を連れて来られたことは、ひとつの終わりとあらたなはじまりの幕開けだ。
 さて、今月の気晴らし1000円の買い物は、西表島の星砂の浜にあるみやげ店で見つけたイルカのマグネットと、新石垣空港で見つけた沖縄限定・ジンベイザメにのったリラックマのキーホルダーにした。
 もっとも、これは娘のものになってしまうだろうけれど。
 マグネットは冷蔵庫、キーホルダーは棚に飾って眺め、西表島のことを思い出している。

2018

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